仕事・委託会社

軽貨物で稼げないなら委託先を変える|1日100kmから40kmに変えて月8万円増やした話

2026年5月8日

こんにちは、現役軽貨物ドライバーのケンです。

軽貨物を始めたのに思ったほど稼げない、このまま続けていいのか分からない。

そう感じてこのページにたどり着いた方が多いと思います。

先に結論をお伝えします。

軽貨物で稼げない原因の多くは、本人の能力や努力ではなく、契約条件のほうにあります。

私自身、第一委託先にいた頃は月の手取りが21万円から29万円で、ほぼ毎月赤字でした。

貯金を切り崩しながら働いていて、通帳の残高が減っていくのを見るたびに胃が重くなる感覚がありました。

その状態から抜け出すためにやったのは、働き方を変えることでも、スキルを磨くことでもありません。

委託先を変えただけです。

結果として、1日の走行距離は100kmから40kmに減り、日額は4,000円上がりました。

月20日稼働なら月8万円の差です。

帰宅時間も18時半から16時になりました。

同じ人間が、同じ車で、同じように働いているのに、です。

この記事では、なぜ稼げない状態が生まれるのかという構造の話から、私が実際に委託先を変えたときの判断・比較・交渉・移行の全手順まで、実数値を出しながらお伝えしていきます。

この記事でわかること

  • 稼げない状態を作っている5つの構造要因
  • 委託先を比較するときに見るべき7項目
  • 応募から稼働開始までの実際のスケジュール
  • 月21万円の赤字生活から日額4,000円増につながった移籍の全記録

軽貨物で稼げない原因の多くは、本人ではなく契約条件にある

軽バンのドライバー視点

「稼げないのは自分のやり方が悪いからだ」と考えている方は多いと思います。

もちろん改善できる部分もありますが、私の経験では、それ以前に契約条件そのものが原因になっているケースが少なくありません。

まず、私に何が起きたのかをお話しします。

6人でやっていたエリアが5人になった日

第一委託先で働いていたとき、会社の方針変更がありました。

それまで6人で回していた配送エリアを、5人で回すことになったのです。

当然、1人あたりの担当範囲と件数が増えます。

方針変更で何が変わったか

1日の走行距離が80kmから100kmへ、20km増えました。

件数が増えたぶん拘束時間も伸び、帰宅は18時半頃になりました。

そして肝心の報酬は、1円も変わりませんでした。

増えたのは燃料代とタイヤの消耗、つまり自分が負担する経費だけです。

ここで押さえておきたいのは、私の働き方は何も変わっていないということです。

サボっていたわけでも、効率が落ちたわけでもありません。

会社が人を1人減らしただけで、手取りが実質的に目減りしました。

これが「稼げない」の正体だと、私は考えています。

努力で埋められる差と、埋められない差がある

軽貨物の情報を検索すると、稼げない人の特徴として次のような指摘をよく見かけます。

  • ルート組みが下手
  • 体力管理ができていない
  • 経費を把握していない
  • 荷主とのコミュニケーションが不足している

どれも間違ってはいません。

ただ、これらを全部改善しても、日額固定の契約で1日20km余計に走らされる状況は変えられません。

ルート組みを工夫して30分早く終わらせたとしても、報酬は同じです。

自分でコントロールできることと、できないことを分けて考える必要があります。

改善努力が無駄だと言いたいわけではありません。ただ、努力の前に契約条件を確認したほうが、はるかに早く結果が出る場合があります。

「他にこれ以上高い委託先があるのですか?」

もうひとつ、稼げない状態が続く理由があります。

比較する相手を知らないことです。

私が第一委託先に辞意を伝えたとき、日額500円アップの提示がありました。

走行距離が20km増えたことに対して、500円です。

断ると、担当者からこう返されました。

「これ以上は増額できない。他にこれ以上高い報酬額の委託先があるのですか?」

このとき私は、すでに日額4,000円高い委託先の話が決まっていました。

答えはもう手元にあったわけです。

ただ、もし何も調べずにこの言葉を聞いていたら、どうだったでしょうか。

「そうか、うちが一番マシなのか」と思い込んで、そのまま残っていた可能性は十分あります。

委託先は基本的に、自社より良い条件は存在しないという前提で話してきます。

悪意があるとは限りません。担当者自身が他社の条件を知らないこともあります。

いずれにせよ、相場を知らないまま在籍していると、その言葉を否定する材料を持てません。

ケンのワンポイントアドバイス

いま辞める気がなくても、求人サイトで他社の条件を眺めておくことをおすすめします。

応募しなくても構いません。

自分の日額が相場のどのあたりにいるのかを知っているだけで、条件を提示されたときの判断がまるで変わります。

稼げなかった時期の実数値

机の上の通帳

抽象的な話が続いても伝わりにくいと思うので、当時の数字を出します。

きれいな話ではありませんが、同じ状況にいる方には参考になるはずです。

月の手取りは21万円から29万円だった

第一委託先にいた頃の手取りは、少ない月で約21万円、多い月で約29万円でした。

数字だけ見れば、生活できない金額ではないように思えるかもしれません。

項目 第一委託先(方針変更後)
月の手取り 約21万〜29万円
1日の走行距離 約100km
家を出る時間 7時30分
帰宅時間 18時30分頃
拘束時間の目安 1日11時間前後
月の収支 ほぼ毎月赤字

問題は、この手取りが売上ではなく、そこから経費を引いた後の金額だという点です。

さらにそこから、国民健康保険、国民年金、住民税、所得税を払います。

軽貨物は業務委託なので、会社員のように天引きではなく、自分で納めます。

毎月赤字で、貯金を切り崩していた

結果として、ほぼ毎月赤字でした。

足りない分は貯金から出していたので、通帳の残高が毎月確実に減っていきます。

通帳を見るのが怖かった時期

記帳するたびに残高が減っている。

今月は少し節約したつもりでも、やっぱり減っている。

この先どこまで持つのか、頭の中で逆算してしまう。

「このままでは駄目だ」とはっきり思ったのは、通帳残高がどんどん減っていくのを感じたときでした。

私は北海道で20年間フランチャイズの飲食店を経営し、契約書1枚で店を失った経験があります。

そのときに背負った負債の重さを知っているので、貯金が減っていく感覚には人一倍敏感でした。

働いているのに減っていくという状態は、精神的にかなりこたえます。

朝7時半に家を出て、18時半に帰ってくる。

11時間働いて、それでも足りない。

この状況で「もっと効率よく回れば」と考えるのは、正直かなり難しいものがあります。

時給に直すと見えてくるもの

当時の状況を時給に換算してみます。

項目 計算
月の手取り(少ない月) 約21万円
月の稼働日数 20日として計算
1日の拘束時間 11時間
月の総拘束時間 220時間
時給換算 約950円

稼働日数や拘束時間は月によって変動するので、あくまで概算です。

それでも、11時間拘束されて時給1,000円を切る計算になります。

この数字を出したとき、自分でも少し愕然としました。

いま稼げていないと感じている方は、一度この計算をしてみてください。手取りを総拘束時間で割るだけです。数字が出ると、判断がしやすくなります。

売上と手取りの違い、そして経費の考え方については軽貨物ドライバーの年収はいくら?で詳しく整理しています。

「稼げない」を作っている5つの構造要因

倉庫内と軽バン

私のケースを一般化すると、稼げない状態には共通した要因があります。

大事なのは、それが自分で変えられるものかどうかを見分けることです。

5つの要因と、コントロールの可否

要因 内容 自分で変えられるか
1. 委託先の方針変更 人員削減でエリアや件数が増える 変えられない
2. 報酬体系 日額固定だと物量が増えても報酬は同じ 変えられない
3. 初期費用・中間マージン 登録料や保証金、手数料の差し引き 契約前なら選べる
4. 付帯作業の有無 仕分けや検品が無償で付いてくる 契約前なら選べる
5. 走行距離と経費 距離が伸びれば燃料代と消耗品が増える 案件次第

表を見ていただくと分かるとおり、5つのうち3つは、契約する前にしか選べません。

契約してしまった後で「思っていたのと違う」と気づいても、そこから交渉で覆すのは難しいのが実際のところです。

要因1・2は在籍中には変えられない

委託先の方針変更と報酬体系は、ドライバー側からは動かせません。

会社が人員配置を決め、報酬の仕組みを決めます。

私の場合、6人が5人になったのは経営判断であって、抗議して戻るものではありませんでした。

日額固定である以上、20km余計に走っても報酬は同じです。

ここを変えたければ、契約そのものを変えるしかありません。

要因3・4は契約前の確認で防げる

一方で、初期費用と付帯作業は、契約前に確認すれば選べます。

私は1社目で登録料15万円を払った経験があり、これは今でも失敗だったと思っています。

その反省があったので、2社目を探すときは初期費用の有無を必ず確認項目に入れました。

登録料や中間マージンの実態については軽貨物のピンハネの実態でまとめています。

要因5は案件によって大きく変わる

走行距離は、案件の性質で決まります。

同じ企業配でも、担当エリアが広ければ距離は伸びますし、密集していれば短くなります。

私の場合、第一委託先の100kmに対して、第二委託先は40kmでした。

項目 第一委託先 第二委託先
1日の走行距離 約100km 約40km
日額 基準額 基準額+4,000円
家を出る時間 7時30分 8時30分
帰宅時間 18時30分頃 16時頃

距離が6割減って、報酬が上がって、拘束時間が3時間半短くなりました。

燃料代とタイヤの消耗も当然下がります。

同じ「軽貨物ドライバー」という仕事でも、案件によってここまで変わります。

次の章からは、この第二委託先をどうやって見つけ、何を比較し、どう移ったのかを順番にお伝えしていきます。

委託先を探す方法と、実際に決まった経緯

PCの求人サイト

ここからは、私が第二委託先をどうやって見つけたのかをお伝えします。

特別なコネがあったわけでも、誰かに紹介してもらったわけでもありません。

やったことは、求人サイトで探して直接応募しただけです。

求人サイトで企業配に絞って探した

まず決めたのは、企業配を中心に探すということでした。

第一委託先で企業向けの定期ルート配送をやっていたので、経験が活きる分野だという判断です。

宅配や個建ての案件も目に入りましたが、そちらは選びませんでした。

日額固定という仕組み自体には不満がなく、問題は日額の金額と、それに見合わない走行距離のほうだったからです。

探し方はシンプルで、求人サイトなどネットで検索して、条件が良さそうなところに直接応募しました。

エージェントを通したり、知り合いに声をかけたりはしていません。

このとき意識したのは、求人票に書かれている「月収40万円可能」といった数字を鵜呑みにしないことです。

その金額が何日稼働で、何時間拘束された結果なのかが書かれていない求人は、いくら金額が大きくても候補から外しました。

第一委託先で学んだのは、金額そのものよりその金額を得るために何を差し出すのかのほうが重要だということです。

探すときに決めていたこと

企業配に絞る。宅配や個建てには広げない。

いま働いているエリアから通える範囲に限定する。

条件が書いていない求人には応募しない。

この3つを決めておくと、迷う時間がかなり減りました。

応募先の担当者が、私の仕事ぶりを知っていた

ここから先は、正直なところ運が良かった部分です。

応募した会社の担当者が、第一委託先の営業所によく顔を出していた人物でした。

同じ現場に出入りしている別会社の方です。

ただし、私はその人と話したことがありませんでした。

顔を合わせれば挨拶する程度で、名前も知りませんし、どこの会社の誰なのかも分かっていませんでした。

それでも先方は、私が現場でどう働いているかを見ていたそうです。

そのおかげで、話が割とスムーズに進みました。

ケンのワンポイントアドバイス

配送の現場には、荷主の社員、他社のドライバー、倉庫の担当者など、いろいろな立場の人が出入りしています。

その中の誰が、どこで自分を見ているかは分かりません。

人脈を作れという話ではなく、普通に挨拶して、普通に丁寧に仕事をしておくだけで十分です。

私の場合、名前も知らない相手に見られていたことが、後から効いてきました。

これを「コネがあったから」と読まれると困るので、はっきり書いておきます。

私は誰かに紹介を頼んだわけではありません。

求人サイトから応募して、面談を受けて、条件を確認して決めました。

手順としては、誰でもできることしかやっていません。

応募から稼働開始までの実際のスケジュール

移籍を考えている方が一番知りたいのは、どのくらい時間がかかるかだと思います。

私の場合はこうでした。

段階 所要期間 着手からの累計
移ると決断する 3日 3日
求人サイトから応募 ー 3日
電話面談 応募から3日後 約1週間
先方からの連絡待ち 約2週間 約3週間
営業所で対面面談・案件説明 ー 約3週間
稼働開始 面談から約1週間 約3週間半

決断そのものは3日でした。

方針変更で走行距離が20km増えて報酬が据え置きと決まった時点で、答えは出ていたので迷いはありません。

ただし、実際に稼働が始まるまでは3週間半かかっています。

2週間の空白期間に注意

このスケジュールで一番気をつけてほしいのが、電話面談の後の約2週間です。

私も、この期間はかなり待たされた感覚がありました。

連絡が来ない期間があっても、それだけで不採用と判断しないでください。案件の空き状況や引き継ぎのタイミングを社内で調整していることがあります。

ここで「駄目だったんだな」と諦めてしまうと、せっかく動いた意味がなくなります。

私の場合は2週間後に連絡が来て、そこから対面面談に進みました。

この待機期間があることを前提にすると、動き出すタイミングも変わってきます。

「来月から移りたい」と思ってから探し始めるのでは間に合いません。

稼働開始まで1か月はかかると見て、余裕を持って動くのが現実的です。

もし待っている間に不安になるようなら、1週間から10日ほど経った時点で進捗を問い合わせても失礼にはあたりません。

ただし、在籍中の委託先にはこの段階でまだ何も言わないほうが安全です。

決まっていない状態で辞める話をすると、宙ぶらりんになるリスクがあります。

委託先を比較するときに見るべき7項目

書類を並べて比較

条件を比べるとき、報酬額だけを見ると判断を誤ります。

私が実際に確認したのは、次の7項目でした。

7項目のチェックリスト

確認項目 なぜ見るのか 見落とすとどうなるか
1. 報酬単価 収入の土台 ー
2. 請負内容 何をどこまでやるのか 想定外の業務が増える
3. 拘束時間 時給換算の分母 報酬が高くても時給が低い
4. 走行距離 燃料代と消耗品に直結 経費で報酬差が消える
5. 付帯作業の有無 内容と所要時間 拘束時間と走行距離の両方に影響する
6. 加盟金等の初期費用 契約時の持ち出し 回収に数か月かかる
7. 配送エリア 移動効率と通いやすさ 自宅からの距離が負担になる

この7項目は、面談の場でそのまま質問しました。

聞きにくいことはひとつもありません。

むしろ、これを聞かない人のほうが心配されるのではないかと思っています。

契約は対等なはずですが、仕事をもらう側という意識が働くと、どうしても遠慮が出ます。

私も1社目のときは、登録料15万円を提示されて「そういうものか」と受け入れてしまいました。

質問することで印象が悪くなるような委託先なら、そもそも長く付き合う相手ではありません。

そう考えると、聞くこと自体が相手を見極める材料にもなります。

報酬単価だけで比べてはいけない理由

なぜ7項目も見る必要があるのか、私の実例で説明します。

第一委託先と第二委託先を、報酬だけで比べると4,000円の差です。

しかし実際には、こういう差がありました。

比較項目 第一委託先 第二委託先 差
日額 基準額 基準額+4,000円 +4,000円
走行距離 約100km 約40km △60km
拘束時間 約11時間 約7.5時間 △3.5時間
初期費用 登録料15万円 なし △15万円

報酬が4,000円上がっただけではありません。

走る距離が6割減り、拘束時間が3.5時間短くなり、初期費用もゼロでした。

燃料代とタイヤの消耗を考えれば、実際の差は日額4,000円以上あります。

逆のケースも起こり得ます。

日額が3,000円高くても、走行距離が倍で付帯作業が2時間あるなら、時給換算では下がる可能性があります。

特に判断が難しいのが付帯作業です。

出発前の仕分けや検品のように、拘束時間が増えるだけの作業もあります。

一方で、付帯作業があるおかげで配送効率が上がるケースもあります。

私の第二委託先が、まさにこれでした。

1時間半の付帯作業が、走行距離を減らしていた

届け先の1か所で、自分が運んできた荷物に加えて、別便で直送されてきた荷物を片づける作業があります。

平均して1時間半かかる、決して軽い作業ではありません。

ただ、この1か所に荷物が集約される仕組みになっているので、その分の配送先を回る必要がなくなっています。

第一委託先の1日100kmに対して、第二委託先が40kmで済んでいる理由のひとつが、この付帯作業です。

つまり付帯作業は、あるかないかで判断するものではありません。

その作業が何のためにあるのか、全体の効率にどう効いているのかを見る必要があります。

面談では「配達以外にやることはありますか」と聞いたうえで、その作業にどのくらい時間がかかるのかまで確認してください。

所要時間が分かれば、拘束時間全体で時給を計算できます。

時給に直して比べる

比較で迷ったら、時給に直すのが一番はっきりします。

計算は単純で、日額を拘束時間で割るだけです。

提示された日額と、実際の拘束時間を必ずセットで聞いてください。拘束時間を答えられない委託先は、その時点で少し慎重になったほうがいいかもしれません。

さらに正確に見るなら、燃料代を引いた金額で計算します。

走行距離の目安が分かれば、おおよその燃料代は計算できます。

軽貨物の経費全般については軽貨物ドライバーの確定申告ガイドで整理しています。

1社目の失敗を2社目でどう活かしたか

札が少ない財布と札が多い財布

私は1社目に入るとき、登録料として15万円を払っています。

いま振り返っても、これは失敗でした。

この経験があったからこそ、2社目では確認する項目が変わりました。

登録料15万円という失敗

軽貨物を始めるとき、委託会社に登録料や加盟金を求められることがあります。

金額は数万円から数十万円まで幅があり、名目も登録料、加盟金、保証金、研修費とさまざまです。

私が払ったのは15万円でした。

払ったときに考えていたこと

「仕事をもらうための必要経費だろう」と思っていました。

他と比べたわけでもなく、そういうものだと受け入れてしまったんです。

初期費用がまったくかからない委託先が存在することを、そのときは知りませんでした。

15万円は、日額4,000円の差で考えれば約1か月半分に相当します。

スタートの時点で、それだけのハンデを背負っていたことになります。

登録料や中間マージンの実態については軽貨物のピンハネの実態で詳しくまとめました。

2社目では初期費用を最初に確認した

その反省があったので、2社目を探すときは初期費用の有無をチェックリストに入れました。

結果として、確認するまでもありませんでした。

先方から「登録料や保証金などはありません」と説明があったからです。

まともな委託先は、聞かれる前に説明します。

これも、比べてみて初めて分かったことでした。

面談で何を聞かれたか

こちらが質問するだけでなく、当然向こうからも聞かれます。

私の場合、複数の委託業務を提示されて、それぞれの説明を受けた後、どの案件を希望するかを尋ねられました。

経歴や志望動機を細かく問われるような場ではありません。

案件の内容を聞いて、自分がやれそうかどうかを判断する場でした。

ここで焦って即答する必要はありません。

複数の案件を提示されたなら、それぞれの拘束時間と走行距離を確認したうえで選んでください。

案件によって条件が違うので、同じ委託先でも当たり外れが出ます。

私は配送エリアと付帯作業の内容を確認したうえで案件を選びました。

このとき付帯作業について、1時間半ほどかかる荷物の片づけがあると説明を受けています。

正直、最初は「その分だけ拘束時間が伸びるな」と思いました。

ところが実際に稼働してみると、その作業があるからこそ配送先が集約されていて、走行距離が大幅に短くなっていたわけです。

説明を聞いた時点では、まだ判断材料が足りなかったということになります。

この2つを確認しておいて良かったと、今でも思っています。

実際に働き始めてから「聞いていた話と違う」と困ったことは、ひとつもありませんでした。

委託会社の選び方全般については軽貨物業務委託の委託会社おすすめ6社徹底比較もあわせてご覧ください。

次の章では、実際に第一委託先を辞めて、第二委託先へ移るまでに起きたことをお伝えします。

辞めると伝えるときにやったこと

テーブルの上のスマホ

次の委託先が決まったら、いま在籍している委託先に辞意を伝えることになります。

ここが移籍で一番気を使う場面かもしれません。

私が実際にやったことと、そのときのやり取りをお伝えします。

1か月前に、LINEで伝えた

私の契約書には、「正当な理由がない限り1か月前に申し出ること」と書かれていました。

そのため、辞意を伝えたのは1か月前です。

伝えた手段はLINEでした。

対面や電話ではなく、あえて文字が残る形を選んでいます。

なぜLINEにしたか

文書で残しておけば履歴が残るので、後から「言った・言わない」の話にならないと考えました。

私は北海道で20年間フランチャイズの飲食店を経営し、契約をめぐるやり取りで痛い目に遭った経験があります。

口約束や曖昧なやり取りが、後になってどれだけ厄介になるかを身をもって知っていました。

だから今回は、最初から記録が残る方法を選びました。

冷たいと感じる方もいるかもしれません。

ただ、これは相手を疑っているというより、お互いの認識を揃えておくための手段だと考えています。

いつ伝えたか、何と伝えたかが残っていれば、双方が確認できます。

実際、辞意を伝えた日付が記録に残っていたことは、この後の展開でも効いてきました。

もし口頭だけで伝えていたら、「聞いていない」と言われる可能性もゼロではありません。

文面は事務的で構いません。

いつ辞めたいのか、引き継ぎにどう協力するのか、この2点が書いてあれば十分です。

引き止めは日額500円だった

辞意を伝えると、引き止めがありました。

提示されたのは日額500円のアップです。

第1部でお伝えしたとおり、私は方針変更で1日の走行距離が80kmから100kmに増えていました。

20km余計に走ることに対して、500円です。

項目 内容
方針変更で増えた走行距離 1日20km
増えた拘束時間 おおよそ1時間前後
提示された増額 日額500円
次の委託先との日額差 4,000円

比べるまでもありませんでした。

このとき担当者から返ってきたのが、第1部で紹介したあの言葉です。

「これ以上は増額できない。他にこれ以上高い報酬額の委託先があるのですか?」

答えは、すでに手元にありました。

もし何も調べていなかったら、その一言で気持ちが揺らいでいたかもしれません。

「契約書の話をされるのでしたら」

ここからが、この移籍で一番緊張した場面です。

私としては、なるべく早く辞めたいと考えていました。

そこで、代替者を早めに手配してほしいとお願いしました。

すると、こう返されました。

「あまり言いたくはないが、契約書には1か月前と書いているので、あと1か月はお願いします」

正直、この言い方にカチンときました。

契約書を持ち出すのであれば、こちらもその契約書の話をするしかありません。

私はこう返しました。

実際に伝えたこと

「契約書の話をされるのでしたら、そこには『正当な理由がない限り』とあります。

報酬について相談もしましたが決裂しました。

経費が増えることで私の収入が減り、生活に困窮することは、正当な理由となるのではないですか」

結果として、1週間ほどで代替者が手配され、引き継ぎに入ることができました。

1か月待つはずが、1週間で動いたわけです。

この一件から言えること

誤解のないように書いておきます。

私は喧嘩をしたかったわけではありませんし、強く出れば通ると言いたいわけでもありません。

ポイントは3つあると思っています。

1つ目は、自分の契約書を読んでいたことです。

「1か月前」という部分だけでなく、「正当な理由がない限り」という条件が付いていることを知っていました。

2つ目は、報酬について事前に相談していた事実があったことです。

いきなり辞めると言ったわけではなく、条件改善を求めて話し合い、それが決裂したという経緯がありました。

3つ目は、次が決まっていたことです。

決まっていなければ、あそこまで踏み込む余裕はなかったと思います。

ケンのワンポイントアドバイス

いま辞める予定がなくても、契約書を一度読み返しておいてください。

予告期間は何日前か、その条件に例外はあるか、違約金の定めはあるか。

この3点を知っているかどうかで、いざというときの立ち位置がまるで変わります。

私も契約書を読んでいなければ、黙って1か月待っていたはずです。

契約書の文言や取り扱いは委託会社によって異なります。

ここに書いたのはあくまで私のケースであり、同じ主張がどの契約でも通るという意味ではありません。

契約の解釈や違約金をめぐって争いになりそうな場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。

引き継ぎ期間は報酬が下がる

2台の軽バンと引継ぎ風景

移籍を考えるとき、意外と知られていないのがここです。

新しい委託先で稼働を始めても、最初の数日から数週間は報酬が下がります。

移籍を検討するなら、この期間を織り込んでおく必要があります。

業界の一般的な引き継ぎ条件

私が知る範囲では、前任者から業務を引き継ぐ際、次のような形が一般的です。

項目 一般的なケース 私のケース
引き継ぎ期間 5日程度 10日間
期間中の報酬 半額程度まで下がる 日額2,000円引き
その後のフォロー 基本的になし 約1か月付いてくれた

一般的なケースは業界での見聞きに基づく目安で、委託会社や案件によって条件は異なります。

ただ、引き継ぎ中は報酬が下がるという前提は、多くの現場で共通していると感じています。

5日間の報酬が半額になるということは、その月は数万円のマイナスからスタートするということです。

移籍で日額が上がったとしても、初月はその増額分が引き継ぎの減収で相殺される可能性があります。

「移ったのに手取りが増えていない」と初月で判断してしまうと、せっかくの決断を後悔することになりかねません。

効果が数字に出るのは2か月目からだと思っておくのが安全です。

私の場合は条件が良かった

私の引き継ぎは10日間で、期間中は日額2,000円引きでした。

一般的な「半額」と比べれば、かなり緩やかな条件です。

理由は、前任者が請負先企業の社員だったことにあります。

外部のドライバーではなく、企業側の人が引き継いでくれたため、通常とは違う形になりました。

さらに、請負先企業のご厚意で、引き継ぎ期間が終わった後も1か月ほど付いてくれました。

これは本当にありがたかったです。

引き継ぎで実際にかかった時間

配送ルートそのものは、3日もあれば覚えられました。

時間がかかったのは付帯作業のほうで、こちらは2週間ほどかかったと思います。

ルートは走れば体で覚えますが、付帯作業は手順と例外パターンが多く、慣れるまで時間が必要でした。

面談のときに付帯作業の内容を確認しておいたので、驚きはありませんでした。

ただ、覚えるのにかかる時間までは想像できていなかったというのが正直なところです。

移籍のタイミングをどう考えるか

引き継ぎ期間の減収を踏まえると、移籍のタイミングには少し戦略が必要です。

引き継ぎ期間の減収分を、あらかじめ生活費とは別に確保しておくと安心です。数万円の余裕があるだけで、判断が鈍らずに済みます。

私の場合は、空白期間を作らないことを優先しました。

第一委託先の引き継ぎが終わったら行きます、と第二委託先に伝えていたので、収入が完全に途切れた月はありません。

車両や備品で新しく必要になったものも、特にありませんでした。

企業配であれば、車と基本的な備品があれば移籍できるケースが多いと思います。

企業配の収入実額については軽貨物はいくら稼げる?企業配の月収21〜37万円のリアルで詳しくまとめています。

移った後に何が変わったか

軽バンの車内

第二委託先で稼働を始めて、生活がどう変わったかをお伝えします。

数字の話と、時間の話の両方があります。

数字はこう変わった

項目 第一委託先 第二委託先
日額 基準額 基準額+4,000円
月20日稼働の差 ー +約8万円
1日の走行距離 約100km 約40km
家を出る時間 7時30分 8時30分
帰宅時間 18時30分頃 16時頃
1日の拘束時間 約11時間 約7.5時間
月の収支 ほぼ毎月赤字 赤字ではなくなった

日額が4,000円上がって、走行距離は6割減りました。

燃料代とタイヤの消耗も当然下がるので、実際の手取り差は8万円より大きくなります。

毎月貯金を切り崩していた状態から、赤字ではない状態に変わりました。

3時間半の余裕が生まれた

金額よりも大きかったのが、時間かもしれません。

朝は1時間遅く出て、夕方は2時間半早く帰れるようになりました。

1日あたり3時間半の余裕です。

16時に帰宅できると、その日のうちにできることが増えます。

私はこの時間を、走らなくても収入が入る仕組みを作ることに使い始めました。

具体的には、このブログの運営とAIの使い方を覚えることです。

時間ができて最初に考えたこと

第一委託先にいた頃は、18時半に帰って夕食を取ったら、もう何もする気力が残っていませんでした。

疲れて寝て、また7時半に家を出る。その繰り返しです。

あの状態のままだったら、次の柱を育てようという発想自体が出てこなかったと思います。

時間の余裕は、気力の余裕でもありました。

軽貨物という仕事は、走らなければ収入がゼロになります。

体調を崩せば止まりますし、年齢を重ねればいつかは走れなくなります。

私は飲食店を20年やって、契約書1枚でその収入源を失いました。

ひとつの収入に頼りきる怖さは、そのときに嫌というほど味わっています。

だからこそ、走っているうちに別の柱を作っておく必要があると考えています。

そしてその柱を育てるには、時間と気力が要ります。

拘束時間11時間の生活を続けたまま「副業も頑張ろう」というのは、現実的ではありませんでした。

条件の良い委託先に移ることは、収入を増やすだけでなく、次の一手を打つ時間を買うことでもあります。

軽貨物と副業の組み合わせについては軽貨物の副業は稼げる?で整理しました。

思っていたのと違った点はあったか

移ってから「聞いていた話と違う」と感じたことは、ひとつもありませんでした。

面談で配送エリアと付帯作業を確認していたことが、そのまま効いています。

強いて挙げるなら、付帯作業を覚えるのに2週間かかったことくらいです。

これも聞いていなかったわけではなく、習熟にかかる時間を自分が甘く見ていただけでした。

むしろ、良い意味で予想と違ったこともあります。

付帯作業に1時間半かかると聞いたときは拘束時間が伸びると思っていましたが、実際にはその作業のおかげで走行距離が減っていました。

条件表だけでは分からない部分があるということです。

次の章では、委託先を変えることについてよくいただく質問にお答えしていきます。

委託先を変えることについてよくある質問

質問カード

最後に、委託先の移籍についてよくいただく質問にお答えしていきます。

一般論だけでなく、私の経験からお答えできる部分は正直に書きました。

Q1. 委託先を変えると、また一から信用を作り直すことになりませんか?

A. 確かに人間関係はリセットされますが、それ以上に条件の差が大きいのが実際です。

私の場合、日額4,000円の差は月20日稼働で約8万円、年間では約96万円になります。この差は毎年続きます。

信用は仕事をしていれば数か月で積み上がりますが、契約条件は黙っていても変わりません。天秤にかけるまでもありませんでした。

Q2. 辞めると伝えたら、違約金を請求されませんか?

A. まず自分の契約書を確認してください。違約金の定めがあるかどうかは契約によって異なります。

私の契約書には違約金の定めはなく、「正当な理由がない限り1か月前に申し出ること」という予告期間の規定だけでした。実際に請求されたこともありません。

もし高額な違約金の条項があり、内容に納得できない場合は、弁護士などの専門家に相談してください。ここは個別の判断が必要な部分です。

Q3. 次を決めてから辞めるべきですか?辞めてから探すべきですか?

A. 決めてから辞めることを強くおすすめします。

私の場合、応募から稼働開始まで約3週間半かかりました。途中に2週間の連絡待ちがあります。先に辞めていたら、その期間は無収入です。

それだけでなく、次が決まっていたからこそ引き止めの条件を冷静に断れました。決まっていなければ、日額500円の提示に揺らいでいた可能性は十分あります。

Q4. 移籍したら収入はすぐ増えますか?

A. 初月は増えないと思っておいてください。

引き継ぎ期間中は報酬が下がります。一般的には5日程度で半額まで下がるケースが多く、私の場合は10日間で日額2,000円引きでした。

日額が上がっても、初月はこの減収と相殺されます。数字にはっきり出るのは2か月目からです。引き継ぎ期間の減収分を、あらかじめ確保しておくと安心です。

Q5. 求人票の「月収40万円可能」は信じていいですか?

A. その金額が何日稼働で、何時間拘束された結果なのかが書かれていなければ、判断材料になりません。

私は条件が書かれていない求人には応募しませんでした。金額の大きさより、その金額を得るために何を差し出すのかのほうが重要だからです。

面談では日額と拘束時間を必ずセットで聞いてください。拘束時間を答えられない委託先なら、その時点で少し慎重になったほうがいいかもしれません。

Q6. 付帯作業がある案件は避けたほうがいいですか?

A. 一概には言えません。避けるかどうかより、内容を確認することが大事です。

私の第二委託先には、届け先1か所で別便の荷物を片づける作業があり、平均1時間半かかります。ただ、そこに荷物が集約されるため回る配送先が減り、結果として1日の走行距離は100kmから40kmになりました。

拘束時間だけを見れば付帯作業はマイナスですが、走行距離と燃料代を含めて考えると話が変わります。面談では作業の内容と所要時間、そしてそれが配送ルートにどう関係しているかまで聞いてください。

Q7. 稼げないのは自分の努力不足ではないのでしょうか?

A. 努力で埋められる差と、埋められない差があります。

私は会社の方針変更で、6人のエリアを5人で回すことになりました。走行距離は1日20km増え、拘束時間も伸びて、報酬は据え置きです。私の働き方は何ひとつ変わっていません。

ルート組みを工夫して30分早く終わらせても、日額固定なら報酬は同じです。改善努力が無駄だとは言いませんが、その前に契約条件を確認したほうがはるかに早く結果が出ます。

Q8. 委託先を変えても、また同じことが起きませんか?

A. その可能性はあります。だからこそ、契約前に確認する項目を決めておくことが大事です。

報酬単価、請負内容、拘束時間、走行距離、付帯作業の有無、初期費用の有無、配送エリア。私はこの7項目を面談で確認しました。

それでも会社の方針は変わり得ます。ですから軽貨物の収入だけに頼りきらず、別の柱を育てておくことが最終的な備えになると考えています。

まとめ|稼げないなら、変えるのは自分ではなく環境

軽バンと桜の景色

軽貨物で稼げない状態について、構造の話から実際の移籍手順までお伝えしてきました。

最後に、この記事の要点を整理します。

この記事の3つの結論

1. 稼げない原因の多くは、本人ではなく契約条件にある。私は会社の方針変更で1日の走行距離が80kmから100kmへ増え、拘束時間も伸びたが、報酬は据え置きだった。働き方は何も変えていない。ルート組みや体力管理をどれだけ改善しても、この状況は変えられない。

2. 比較する相手を知らないと、いまの条件が妥当かどうか判断できない。辞意を伝えたとき「他にこれ以上高い報酬額の委託先があるのですか?」と返された。私はすでに日額4,000円高い委託先が決まっていたが、調べていなければ揺らいでいた。

3. 委託先を変えただけで、日額4,000円・月8万円が変わった。走行距離は100kmから40kmへ、拘束時間は11時間から7.5時間へ。同じ人間が同じ車で働いて、この差が出る。

私は北海道で20年間フランチャイズの飲食店を経営し、契約書1枚で店を失いました。

その後に軽貨物へ移り、第一委託先では月の手取り21万円から29万円で、ほぼ毎月赤字でした。

通帳の残高が減っていくのを見ながら、朝7時半に家を出て18時半に帰る生活を続けていました。

そこから抜け出すためにやったのは、走り方を工夫することでも、根性を出すことでもありません。

求人サイトで探して、条件を7項目で比べて、応募しただけです。

決断は3日、稼働開始まで3週間半でした。

いま同じ状況にいる方に伝えたいのは、自分を責める前に契約書と求人票を見てほしいということです。

条件が悪いのは、あなたの能力の問題ではないかもしれません。

そしてもうひとつ。

第二委託先に移って、1日3時間半の余裕が生まれました。

私はこの時間を、走らなくても収入が入る仕組みを作ることに使っています。

軽貨物は走らなければ収入がゼロになる仕事です。

条件の良い委託先に移ることは、収入を増やすだけでなく、次の柱を育てる時間を手に入れることでもあります。

なお、本記事の収入や条件に関する数値は、私個人の実例および一般的な目安です。

契約内容、エリア、時期によって大きく異なります。

契約の解釈や違約金に関わる判断は、必ず契約書をご確認のうえ、弁護士などの専門家にご相談ください。

  • この記事を書いた人

ケン

50代・関西在住の現役軽貨物ドライバー。 北海道で20年間フランチャイズで飲食店を経営するも、契約終了により強制退去を経験。 「ひとつの収入源にすべてを賭けるリスク」を痛感し、現在は軽貨物・ネットビジネス・株式投資の3本柱で生活設計を実践中。 別ジャンルのブログで月2万円のAdSense収益、新NISAでS&P500を積立運用しながら、軽貨物ノートで現役ドライバー目線の一次情報を発信しています。 ▶3本柱の全体像はnoteで公開→note記事を読む

-仕事・委託会社