こんにちは、現役軽貨物ドライバーのケンです。
軽貨物の繁忙期がいつなのか、そしてその時期にどれくらい稼げるのかを知りたくて、このページにたどり着いた方が多いと思います。
先に結論をお伝えします。
軽貨物の繁忙期は年末年始・3月末・7〜8月の年3回です。
ただし物量が増える時期と、収入が増える時期は一致しません。
ここを混同したまま年間の稼働計画を立てると、思っていたほど手元にお金が残らない、という結果になりがちです。
私は繁忙期を3つの立場から見てきました。
北海道で20年間フランチャイズの飲食店を経営していたときは、お歳暮や年末に注文が集中する「送り手側」にいました。
そして20年のうち最後の3年ほどは、店をやりながらフードデリバリーも並行していました。
つまり同じ時期に、荷物を出す側と運ぶ側の両方に立っていたことになります。
その後に店を失い、関西へ移って現在は企業向けの定期ルート配送、いわゆる企業配の3年目です。
同じ12月でも、この3つの立場で見える景色はまったく違いました。
この記事では、まず月別カレンダーで年間の物量サイクルを押さえたうえで、報酬体系によって収入の増え方がどう変わるのかを、3つの立場の実体験を交えて解説していきます。
この記事でわかること
- 軽貨物の三大繁忙期と12か月の物量カレンダー
- 物量が増えても収入が増えるとは限らない理由
- 繁忙期を作っている3つの需要構造
- 飲食店の送り手側・出来高型・固定報酬型の3つの立場で見た繁忙期の違い
軽貨物の繁忙期は年3回、収入が動くかは別問題

最初に、この記事全体の結論を整理しておきます。
繁忙期そのものは毎年ほぼ決まった時期にやってきますが、そこで収入が伸びるかどうかは働き方によって変わります。
この2つを分けて考えることが、年間の稼働設計の出発点になります。
三大繁忙期は年末年始・3月末・7〜8月
軽貨物業界の繁忙期は、大きく3つの時期に集約されます。
年末年始はお歳暮、クリスマス、年末セール、初売りが連続する年間最大の山場です。
3月末から4月にかけては、引っ越しと新生活、そして法人の年度末が重なります。
7月から8月はお中元と帰省、夏のセールが同時に来る時期ですね。
| 時期 | 期間の目安 | 増える荷物 | 出来高型の収入 | 固定報酬型の収入 |
|---|---|---|---|---|
| 年末年始 | 11月下旬〜1月上旬 | ギフト、家電、食品 | 大きく増える | 変わらない |
| 年度末・新生活 | 3月中旬〜4月上旬 | 家具、家電、段ボール多数 | 大きく増える | 変わらない |
| 夏季 | 7月〜8月中旬 | クール便、飲料、ギフト | 増える | 変わらない |
表の右2列を見ていただくと、この記事で一番お伝えしたいことが伝わるかなと思います。
同じ繁忙期でも、報酬体系によって収入の動き方が正反対になります。
物量が増えても収入が増えるとは限らない
「繁忙期は稼ぎ時」という言葉は、半分だけ正しいというのが私の実感です。
1個いくらで報酬が決まる出来高型なら、運んだ個数がそのまま売上に乗るので、繁忙期は確かに稼ぎ時になります。
一方で、1日の報酬が決まっている固定報酬型の場合、荷物が倍近くに増えても報酬は1円も変わりません。
増えるのは労働時間だけ、というのが現場の実態です。
求人広告で「繁忙期は月収アップ」と書かれている場合、それがどちらの報酬体系を指しているのかを必ず確認してください。
ではどちらが良いのかというと、これは優劣ではなく相性の問題だと感じています。
短期集中で一気に稼ぎたいなら出来高型、年間を通じて生活設計を安定させたいなら固定報酬型です。
収入の全体像については軽貨物ドライバーの年収はいくら?で詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。
3つの立場から見た繁忙期という記事の視点
繁忙期の解説記事はたくさんありますが、その多くは配る側の一方向からしか書かれていません。
私の場合、荷物を出す側と運ぶ側の両方を経験しているのが、少し珍しいところかなと思います。
私が繁忙期を見てきた3つの立場
1つ目は北海道でのフランチャイズ飲食店経営です。20年間続け、移動販売も12年並行していました。ギフトや年末需要で注文が集中する「送り手側」の景色を知っています。
2つ目はフードデリバリーです。飲食店20年の終盤3年ほどを並行してやっていて、北海道で1日およそ100kmを走っていました。出す側と運ぶ側を同時に見ていた期間ですね。
3つ目が現在の企業配で、関西で3年目になります。走行距離は1日40km前後、車はスズキのエブリイで走行11万kmです。
同じ荷物の流れを、出す側と運ぶ側の両方から見てきた経験を、この記事に落とし込んでいきます。
月別カレンダーで見る12か月の物量サイクル

ここからが、この記事の中心になる部分です。
三大繁忙期だけでなく、月ごとの細かい波を把握しておくと、年間の稼働計画がぐっと立てやすくなります。
まずは12か月分を一覧で確認してみてください。
12か月の需要レベル一覧
物量の水準と、報酬体系別に収入がどう動くかを1枚の表にまとめました。
| 月 | 物量 | 主な要因 | 出来高型 | 固定報酬型 |
|---|---|---|---|---|
| 1月 | 高 | 初売り、お年賀、冬物セール | 増 | 変わらない |
| 2月 | 低〜中 | 閑散期、バレンタイン | 減 | 変わらない |
| 3月 | 極めて高 | 引っ越し、年度末、楽天SALE | 大きく増 | 変わらない |
| 4月 | 高 | 新生活の追加購入、GW前 | 増 | 変わらない |
| 5月 | 低〜中 | 閑散期、母の日 | 減 | 変わらない |
| 6月 | 中 | 父の日、楽天SALE | やや増 | 変わらない |
| 7月 | 高 | お中元、プライムデー、飲料 | 増 | 変わらない |
| 8月 | 中 | 帰省、レジャー用品、お盆前 | やや増 | 変わらない |
| 9月 | 中 | 敬老の日、楽天SALE | やや増 | 変わらない |
| 10月 | 低〜中 | 閑散期、プライム感謝祭 | 減 | 変わらない |
| 11月 | 高 | ブラックフライデー | 増 | 変わらない |
| 12月 | 極めて高 | お歳暮、クリスマス、年末 | 大きく増 | 変わらない |
物量の水準はあくまで一般的な目安であり、担当エリアや荷主によって差が出ます。
固定報酬型の列がすべて「変わらない」で埋まっているのが、この表の見どころかもしれません。
見落とされやすい月内の小さなピーク
月単位の波だけでなく、1か月の中にも小さな山があります。
法人向けの請求書配送や駆け込み納品が集中する月末2〜3営業日、そして給料日の2〜3日後にやってくるEC購入品の着荷ピークです。
出来高型で働いている方なら、稼働日をこの山に合わせるだけで月の売上が変わってきます。
固定報酬型の場合は、この時期に少し帰りが遅くなる、という程度の変化になりますね。
ケンのワンポイントアドバイス
連休の前の週は、休業に入る前の発注に翌週分が重なるので、ほぼ必ず物量が増えます。
ゴールデンウィーク前、お盆前、年末年始前、シルバーウィーク前。
カレンダーを見て「来週は連休だな」と思ったら、その週は少し早めに家を出るようにしています。
閑散期は2月・5月・10月が目安
繁忙期の裏側にあるのが閑散期です。
一般的には2月・5月・10月と言われていて、私の体感ともおおむね一致します。
ただし荷物がまったく無くなるわけではなく、繁忙期と比べれば落ち着いている、という程度の感覚でしょうか。
出来高型の方にとっては収入が落ち込む時期なので、ここをどう乗り切るかが年間収入を左右します。
閑散期の落ち込みを甘く見て、繁忙期の売上を基準に生活費を組んでしまうのは危険です。
出来高型なら、繁忙期と閑散期の差が月に10万円以上になることも珍しくありません。
年間の平均で家計を設計しておくと、2月や5月に慌てずに済みます。
繁忙期を作っている3つの需要構造

なぜその時期に荷物が増えるのか、仕組みを知っておくと応用が利きます。
軽貨物の繁忙期は、性質の違う3つの需要が重なって出来上がっています。
それぞれピークの時期も、運ぶ荷物の中身も違います。
ギフト需要は年2回の大きな山を作る
お中元とお歳暮に代表される贈答の需要です。
7月上旬から中旬、11月下旬から12月中旬にかけて、贈答品の配送が集中します。
飲食店をやっていた頃、この時期は仕込みの量が普段の倍近くになり、店の裏に段ボールが積み上がっていました。
送り手側にいたときの感覚で言うと、贈る側は「早めに手配しよう」と思いながら結局ぎりぎりになるものです。
その心理が、締切直前の物量集中を作っています。
移動需要は3月から4月に集中する
進学、就職、転勤といったライフイベントに伴う荷物の移動です。
3月中旬から4月上旬に集中し、家具や家電といった大きな荷物が中心になります。
大型トラックが入れない住宅街や、階段のあるアパートでは軽貨物車両の機動力が生きる場面ですね。
同時期には法人の年度末も重なるため、企業配の側でも物量が跳ね上がります。
EC需要は年間を通じて波を作り続ける
3つ目が、通販の購入に連動した需要です。
これはギフトや移動需要と違って、年間を通じて何度も小さな山を作るのが特徴になります。
| 需要の種類 | ピーク時期 | 荷物の特徴 | 軽貨物への影響 |
|---|---|---|---|
| ギフト需要 | 7月、11〜12月 | 贈答品、食品、クール便 | 個数が一気に増える |
| 移動需要 | 3〜4月 | 家具、家電、段ボール | 1件あたりの負担が重い |
| EC需要 | 年間を通じて随時 | 雑貨、日用品、家電 | 小さな山が繰り返し来る |
3つの需要が重なる11月下旬から12月にかけてが、年間で最も物量の多い時期になります。
逆に、どの需要とも重ならない2月・5月・10月が閑散期にあたる、という構造です。
需要の種類が分かると、自分の担当している荷物がどの波に乗るのかを予測できるようになります。
次の章からは、この3つの需要を私が実際にどう経験してきたのかを、立場ごとにお伝えしていきます。
飲食店20年で見た「送り手側」の繁忙期

ここからは、私が実際に3つの立場で経験してきた繁忙期をお伝えしていきます。
まずは荷物を運ぶ側ではなく、注文を受けて荷物を出す側の話です。
自分でも配達をするようになって、当時の景色の意味が分かった部分がいくつもありました。
お歳暮の季節に店の裏で起きていたこと
北海道でフランチャイズの飲食店を20年経営していた頃、11月の下旬になると店の空気が変わりました。
贈答用の注文が入り始め、仕込みの量が普段の倍近くになります。
店の裏には梱包用の段ボールが山積みになり、そこを通るたびに肩がぶつかるような状態でした。
送り手側にいたときの12月
贈る側のお客さんは「早めに手配しよう」と言いながら、結局ぎりぎりに注文されることがほとんどでした。
結果として、12月10日を過ぎたあたりから注文が一気に固まります。
集荷に来てくれるドライバーさんの顔つきが日に日に険しくなっていくのを、毎年見ていました。
いま配送する側に回って分かったのは、あの物量の山は贈る人の心理がそのまま形になったものだということです。
締切が近づくほど注文が集中するので、配達のピークも自然と後ろに寄っていきます。
移動販売12年で知った天候と売上の関係
飲食店と並行して、移動販売も12年続けていました。
こちらで痛感したのが、天候が売上を直撃するという事実です。
雨が降れば人出が減り、その日の売上はどうやっても戻りません。
北海道なので、冬になれば売上が落ちるのは織り込み済みでしたが、それでも読み違える月はありました。
夏祭りやイベントに合わせて出店を組んでいた年は、当日の天気予報ひとつで仕込みの量を決めていたほどです。
仕込みすぎれば廃棄になり、絞りすぎれば売り逃す。
12年やっても、この読みが完璧になることはありませんでした。
ただ、そこで身についたのが「季節と天候で需要は必ず動く」という前提で計画を立てる癖です。
この感覚は、経営の終盤に並行して始めたフードデリバリーでも、そのまま通用しました。
出す側と運ぶ側を同時にやって見えたこと
店をやっていた頃の私にとって、配送業者さんは「時間通りに来てくれる人」でした。
繁忙期に集荷が15分遅れると、店の段取りが崩れて焦ったのを覚えています。
ところが経営の終盤、自分も配達をするようになって、その15分の裏で何が起きているのかが分かりました。
前の集荷先で荷物が想定より多かったのかもしれませんし、道が混んでいただけかもしれません。
繁忙期の遅れは、たいてい誰か一人のせいではなく、流れ全体が詰まった結果なんですよね。
午前中は店で注文を捌き、空いた時間に配達に出る。
同じ12月を、出す側と運ぶ側の両方から同時に見ていた最後の3年間でした。
| 時期 | 送り手側の状況 | 配送側に伝わる形 |
|---|---|---|
| 11月下旬 | 贈答注文の受付開始 | 物量が緩やかに増え始める |
| 12月10日以降 | 駆け込み注文が集中 | 一気にピークが来る |
| 12月25日前後 | 年内着の締切対応 | 時間指定が増える |
| 1月上旬 | 初売り、お年賀 | 年明けにもう一度山が来る |
荷物がどこから来ているのかを知っていると、ピークの読み方が少し変わります。
出す側の締切を把握できれば、その2〜3日後に配達の山が来ると予測できるからです。
フードデリバリー3年で経験した出来高型の繁忙期

次は、実際に自分で走って稼いでいた頃の話です。
飲食店を経営していた20年の終盤、最後の3年ほどを北海道でフードデリバリーと並行していました。
始めた理由は収入の足しにするためだけではなく、配達する側の感覚を知っておきたかったからです。
毎日ドライバーさんに荷物を渡している立場として、受け取った荷物がどう運ばれているのかを一度自分で確かめたかったんですね。
このとき函館の運輸支局で黒ナンバーを取得しています。
結果的にこの3年が、店を失った後に軽貨物へ移る足がかりになりました。
1件いくらの完全な出来高型なので、繁忙期と閑散期の差をもっとも強く体感した時期になります。
1日100kmを走っていた頃の稼働
当時は1日およそ100kmを走っていました。
いま関西の企業配で走っているのが1日40km前後ですから、単純に倍以上です。
走行距離が伸びれば燃料代も消耗品も増えるので、売上が伸びても手元に残る額はそこまで変わらない、という月もありました。
出来高型で件数を追いかけると、売上のグラフは右肩上がりに見えます。
ところが燃料代とタイヤの減りを差し引くと、思ったほど増えていない。
このズレに気づくまでに、しばらく時間がかかりました。
走った距離ではなく、残った金額で判断するという感覚は、この時期に身についたものです。
タイヤの使用期間も、北海道ならではの事情があります。
| 項目 | 北海道・フードデリバリー | 関西・企業配(現在) |
|---|---|---|
| 1日の走行距離 | 約100km | 約40km |
| 夏タイヤの使用期間 | 7か月 | 通年 |
| 冬タイヤの使用期間 | 5か月 | 使用しない |
| 報酬の形 | 出来高型 | 固定報酬型 |
| 天候による収入の変動 | 大きい | ほぼ無い |
冬タイヤを5か月履くということは、1年の4割以上を雪と氷の上で走っているということでもあります。
この環境で出来高型の仕事をすると、繁忙期の「稼げる」と「危ない」が同時にやってきます。
轍にハマって動けなくなった冬の日
いまでもはっきり覚えている失敗があります。
スコップで雪を削って抜け出した話
冬のある日、配達の途中で方向転換をしようとして、雪の轍にタイヤを取られました。
周りには人も車もおらず、自力で何とかするしかありません。
結局、車に積んでいたスコップで轍の雪を削り、脱出するまでにかなりの時間を取られました。
原因ははっきりしています。件数をこなそうと焦って、方向転換に適した場所を探すのを怠ったことです。
出来高型は、1件でも多く回れば収入が増えます。
その構造が、判断を急がせるんですね。
あのとき冷静に50m先の広い場所まで進んでいれば、失った時間はゼロだったはずです。
焦って稼ごうとした結果、かえって時間を失ったというのが、この日の教訓でした。
ケンのワンポイントアドバイス
繁忙期ほど「あと1件」という気持ちが強くなります。
ただ、そこで無理をして車が動かなくなれば、その日の残りの件数は全部消えます。
方向転換の場所選びだけは、急いでいるときこそ丁寧にしてほしいなと思います。
出来高型は天候がそのまま収入になる
出来高型で働いていると、天候が収入に直結します。
雪の日は1件あたりの移動に時間がかかるので、同じ8時間でも回れる件数が落ちます。
逆に、悪天候の日ほど注文自体は増えるという面もありました。
需要は増えるのに供給側の効率は落ちる、という状態です。
雪の日は、駐車できる場所そのものが減るのも効いてきます。
普段なら停められる路肩が除雪の雪で埋まっていて、少し離れた場所から歩くことになる。
1件あたり数分の遅れでも、1日に何十件も重なれば大きな差になります。
冬に件数が落ちるのは腕の問題ではなく、環境がそうさせているという話です。
このあたりの感覚は軽貨物の雨の日はどう乗り切る?でも触れていますので、参考にしてみてください。
積雪地域で出来高型の仕事をする場合、冬季は同じ稼働時間でも件数が落ちる前提で収入を見積もっておくと安全です。
企業配で繁忙期に実際に起きること

最後が、現在の働き方である企業配です。
関西で企業向けの定期ルート配送を始めて3年目になります。
車はスズキのエブリイで、走行距離は11万kmを超えました。
ここでの繁忙期は、フードデリバリー時代とはまったく別物でした。
連休前週と3月末に何が起きるか
企業配で物量が確実に増えるタイミングは、はっきりしています。
ひとつは大型連休の前の週です。
休業期間に入る前に発注が前倒しされ、前週の荷物に翌週分が重なってきます。
ゴールデンウィーク前、お盆前、シルバーウィーク前、年末年始前。
この4つは、ほぼ毎年同じことが起こります。
この4つの前週は、朝の積み込みの段階で「今日は多いな」と分かります。
台車を押す回数が普段より明らかに増えるので、荷室を見なくても体で気づく感じでしょうか。
もうひとつが3月末で、法人の駆け込み納品と決算関連の物流が集中する時期です。
企業配においては、この年度末が一年で最も物量の多い時期になります。
年末年始よりも3月末のほうが忙しいというのは、企業配に入るまで想像していませんでした。
宅配の繁忙期イメージで企業配を選ぶと、ここで少し面食らうかもしれません。
物量が増えても報酬は動かない
では収入がどうなるかというと、変わりません。
1日の報酬が決まっているので、荷物が普段の倍近くになっても振込額は同じです。
増えるのは労働時間だけで、体感としては普段より30分ほど長く現場にいるという程度でしょうか。
フードデリバリー時代に「今日は稼げた」「今日は駄目だった」と一喜一憂していたのとは、対照的な働き方です。
これを損だと感じる方もいると思います。
実際、繁忙期に爆発的に稼ぐ余地は無いわけですから、上限は最初から決まっています。
ただ私の場合、閑散期の2月や10月にも同じ額が振り込まれることのほうが、生活設計の上では大きいと感じています。
毎月の収入が読めると、固定費の計画が立てやすくなりますし、余った時間を別のことに使う判断もしやすくなりました。
| 項目 | 第一委託先 | 第二委託先(現在) |
|---|---|---|
| 1日の走行距離 | 約80km | 約40km |
| 1日の報酬 | 基準額 | 基準額+4,000円 |
| 繁忙期の報酬 | 変わらない | 変わらない |
| 繁忙期の労働時間 | 30分程度増える | 30分程度増える |
同じ企業配でも、委託先が違うだけで1日の報酬に4,000円の差がありました。
月20日稼働なら、月8万円の違いになります。
繁忙期にどう働くかを考えるより、どの委託先と契約するかのほうが収入への影響がはるかに大きい、というのが正直な実感です。
企業配の月収の実額は軽貨物はいくら稼げる?企業配の月収21〜37万円のリアルでまとめています。
荷物が積み切れないときの判断
企業配3年目の私でも、連休前週や3月末には荷室に荷物が乗り切らないことがあります。
ここで無理に積み込むと、荷崩れや破損のリスクが出てきます。
私は「今日の荷物は1台に乗り切りません」と早めに担当者へ伝えるようにしています。
2便に分けるのか、配達順を組み替えるのか、相談したほうが結果的に全員にとって安全です。
遠慮して黙って積み込むと、車両の損傷や配達遅延といった、もっと大きな問題に発展しかねません。
これはフードデリバリー時代の轍の一件と、根っこは同じだと思っています。
急いでいるときの「まあ大丈夫だろう」という判断が、いちばん高くつきます。
次の章では、ここまでの実体験を踏まえて、報酬体系ごとに繁忙期の収入がどう動くのかを整理していきます。
報酬体系別に見た繁忙期の収入の増え方

ここまで3つの立場から繁忙期を見てきました。
そこで見えてきたのは、繁忙期に収入が伸びるかどうかは働き方そのものより報酬体系で決まるという事実です。
この章では、4つの報酬体系ごとに繁忙期の効き方を整理していきます。
4つの報酬体系と繁忙期の効き方
軽貨物の報酬の決まり方は、大きく4つに分けられます。
自分がどれに当てはまるかで、繁忙期の意味がまったく変わってきます。
| 報酬体系 | 報酬の決まり方 | 繁忙期の収入 | 閑散期の収入 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 個建て(出来高型) | 配達個数×単価 | 大きく増える | 大きく減る | 短期集中で稼ぎたい |
| 日額固定(ルート便) | 1日あたりの定額 | 変わらない | 変わらない | 収入を安定させたい |
| 時間制 | 拘束時間×単価 | やや増える | やや減る | 働く時間を選びたい |
| スポット・チャーター | 案件ごとの個別単価 | 案件数と単価が動く | 案件自体が減る | 交渉と人脈がある |
繁忙期の恩恵を最も受けるのが個建てで、まったく受けないのが日額固定です。
私が現在やっている企業配は日額固定にあたるので、12月も3月末も振込額は同じですね。
ここで気をつけたいのが、同じ「業務委託」という言葉でも中身がまったく違うという点です。
求人票に月収の目安が書かれていても、それが個建てなのか日額固定なのかで、繁忙期に起きることは正反対になります。
契約前に確認すべきなのは金額の大きさより、どういう仕組みでその金額が決まるのかのほうだと思います。
出来高型は増えた分だけ経費も増える
個建てで働く場合、繁忙期の売上は確かに伸びます。
ただし、ここで見落とされやすいのが経費の増え方です。
配達個数が増えるということは、走行距離も稼働時間も伸びるということでもあります。
フードデリバリー時代に気づいたこと
件数を追いかけていた月は、売上だけを見れば確かに伸びていました。
ところが燃料代とタイヤの消耗を差し引くと、思ったほど手元に残っていません。
1日100km走る月と、それより少ない月とで、残る金額の差が売上の差ほど大きくなかったんです。
タイヤは4本と工賃で29,000円かかりますから、交換サイクルが早まればそのまま利益を削ります。
繁忙期に稼働を増やすなら、売上ではなく残る金額で判断するのが基本になります。
月末に売上と経費を並べて、時給に直してみると実態が見えてきますよ。
繁忙期の売上が2割増えても、燃料と消耗品と労働時間が3割増えていれば、実質は目減りしています。
日額固定は「増えないこと」を買っている
一方の日額固定は、繁忙期に増えない代わりに閑散期にも減りません。
これを損だと感じるか、安心だと感じるかは、その人の生活設計によって変わります。
私の場合は後者でした。
毎月の収入が読めるので、固定費の計画が立てられますし、収入が落ちる月に備えて身構える必要もありません。
飲食店をやっていた頃は、売上の良い月と悪い月の差にずっと振り回されていました。
良い月に気が大きくなり、悪い月に慌てる。
20年やってもこの癖は抜けませんでしたから、収入が一定という状態は、私にとって思っていた以上に楽なものでした。
繁忙期に無理をして体を壊せば、その後の閑散期も働けなくなります。
上限を諦める代わりに下限を守る、という選び方だと考えています。
公的統計で確かめられることと、確かめられないこと
ここは正直に書いておきます。
「軽貨物ドライバーの繁忙期の月収」を示した公的な統計は、私が調べた範囲では見つかりませんでした。
近い数字として、厚生労働省のjob tagでは近接職種である宅配便配達員の全国年収が公表されています。
| 項目 | 数値 | 注意点 |
|---|---|---|
| 宅配便配達員の全国年収 | 406.5万円 | 雇用されている人を含む数字 |
| 月間労働時間 | 163時間 | 業務委託だけを抽出していない |
| 平均年齢 | 46.3歳 | 軽貨物車限定の数字ではない |
厚生労働省のjob tagで公表されている、令和7年賃金構造基本統計調査を加工した数値です。
ただし、この職業分類には荷物配達員などが含まれていて、軽貨物車のドライバーだけ、あるいは業務委託の個人事業主だけを抜き出したものではありません。
ネット上には「軽貨物の繁忙期は月収◯◯万円」という数字が数多くありますが、その多くは出典が示されていません。
個建ての単価や1日の配達個数は案件によって大きく変わるため、他人の数字をそのまま自分に当てはめるのは危険です。
判断材料にすべきなのは、自分の直近3か月の売上と経費の実数です。
収入の全体像と、売上と手取りの違いについては別の記事で詳しく扱っています。
ECセールが作る小さな繁忙期

三大繁忙期のほかに、近年はECプラットフォームのセールが小さな山を作っています。
年に何度もやってくるので、稼働日を選べる立場なら押さえておく価値があります。
ここは日付が読めるぶん、対策も立てやすい部分です。
主要セールの年間スケジュール
代表的なセールを一覧にまとめました。
開催時期は年によって前後するので、正確な日程は各サービスの公式サイトでご確認ください。
| セール名 | 時期の目安 | 物量への影響 |
|---|---|---|
| 楽天スーパーSALE | 3月・6月・9月・12月 | 四半期ごとの山 |
| お買い物マラソン | ほぼ毎月 | 月内の小さな山 |
| Amazonプライムデー | 7月中旬 | お中元と重なる |
| プライム感謝祭 | 10月中旬 | 閑散期の中の山 |
| ブラックフライデー | 11月下旬 | 年末ピークの助走 |
| 楽天大感謝祭 | 12月下旬 | 年末の最終盤 |
注目したいのが10月のプライム感謝祭です。
10月は本来なら閑散期にあたりますが、ここだけ物量が持ち上がります。
配達のピークはセール当日ではない
意外と知られていないのが、配達が忙しくなるタイミングです。
セールの開催日そのものではなく、その翌日から数日間にピークが来ます。
注文された商品が倉庫を出て、最後の配達に届くまでのタイムラグがあるためですね。
つまりセール当日に身構えても意味がなく、その2〜4日後に照準を合わせるのが実務的です。
個建てで稼働日を選べる方なら、この数日に集中させるだけで月の売上が変わってきます。
逆にセール当日は、まだ倉庫の中で荷物が動いている段階です。
このタイミングで休みを入れておき、数日後のピークに備えるという組み方もできます。
セールの日程は事前に公表されますから、月の稼働計画を立てるときに一緒に見ておくと無駄がありません。
繁忙期より怖い交通規制の日
物量の話ばかりしてきましたが、現場で走っている感覚だと、実はもっと厄介なものがあります。
ケンのワンポイントアドバイス
夏祭りや花火大会、マラソン大会などの交通規制は、繁忙期の物量増より1日のスケジュールを狂わせます。
普段使っている道が通行止めになると、ルートを根本から組み直すことになるからです。
私は月の初めに、担当エリアのイベント日程と規制時間帯、そして迂回路の3点を確認するようにしています。
地図に書き込んでおくだけで、当日の慌てぶりがまるで違いますよ。
自治体や警察のサイトに交通規制の情報が出ていますので、月初にまとめて見ておくと安心です。
繁忙期で焦っているときほど、こうした想定外の遠回りが大きなロスにつながります。
閑散期は2月・5月・10月、ここで何をするか

繁忙期の話と同じくらい大事なのが、閑散期の使い方です。
2月・5月・10月は物量が落ち着く時期にあたります。
個建ての方にとっては収入が落ちる月ですが、見方を変えれば整備と準備に使える時間でもあります。
車両整備は閑散期に寄せる
繁忙期に車が止まると、その日の売上はまるごと消えます。
整備で防げるトラブルは多いので、点検は閑散期のうちに済ませておくのが合理的です。
| 整備項目 | 目安サイクル | 寄せたい時期 |
|---|---|---|
| エンジンオイル交換 | 3,000〜5,000kmまたは3〜6か月 | 2月・5月・10月 |
| タイヤ点検・交換 | スリップサインが目安 | 10月 |
| バッテリー | 2〜3年 | 10月 |
| 車検 | 2年ごと | 閑散期に合わせる |
サイクルはあくまで一般的な目安で、走行距離や使い方によって変わります。
オイル交換の頻度と費用は軽貨物のオイル交換完全ガイドで実費とあわせてまとめました。
私の場合、タイヤは4本と工賃で29,000円でした。
こうした出費を繁忙期にぶつけると資金繰りが苦しくなるので、閑散期に前倒ししています。
案件の組み合わせで振れ幅を抑える
閑散期の落ち込みを構造的に防ぐ方法もあります。
需要のサイクルが違う案件を組み合わせるという考え方です。
日額固定の定期便でベースを作り、そこにスポット案件を乗せる形が代表的でしょうか。
たとえば平日は定期便でベース収入を確保し、週末や空き時間にスポットを入れる。
需要のピークがずれている案件同士なら、片方が落ちる時期にもう片方が支えてくれます。
ひとつの案件だけに依存していると、その契約が終わった瞬間に収入がゼロになります。
私が20年やった飲食店を契約書1枚で失ったときに痛感したのが、まさにこれでした。
売上は毎月しっかりあったのに、店を失った瞬間に収入はゼロです。
案件の分散は、繁忙期対策であると同時に、その先のリスク対策でもあります。
空いた時間を次の柱に回す
日額固定で働いていると、閑散期も収入は変わりません。
つまり収入が落ちないまま時間だけが空くという、少し得な状態が生まれます。
私はこの時間を、走らなくても収入が入る仕組みづくりに使っています。
具体的にはブログの運営と、AIの使い方を覚えることですね。
閑散期を次の柱に変える
第二委託先に移ってから、1日の拘束時間が短くなり、走行距離も40km前後に収まるようになりました。
16時には帰宅できるので、そこから執筆や勉強の時間を取れます。
軽貨物で生活費を確保しながら、別の柱を育てられるのがこの働き方の一番のメリットだと感じています。
軽貨物ドライバーがブログを副業にする現実は軽貨物ドライバーのブログ副業で、収益化までの実際の期間とあわせて書いています。
繁忙期に体を張って稼ぐ働き方も否定はしません。
ただ、閑散期に何をしたかで3年後が変わってくる、というのが私の実感です。
次の章では、繁忙期についてよくいただく質問にお答えしていきます。
軽貨物の繁忙期に関するよくある質問

最後に、繁忙期についてよくいただく質問にお答えしていきます。
一般論だけでなく、私自身の経験からお答えできる部分は正直に書きました。
Q1. 年間で最も忙しい月はいつですか?
A. 働き方によって答えが変わります。
宅配や個建ての場合は12月です。お歳暮、クリスマス、年末セールが重なり、11月下旬から1月上旬まで山が続きます。
一方で企業配の場合は3月末が最も物量の多い時期でした。法人の駆け込み納品と決算関連の荷物が集中するためです。
私自身、企業配に入るまで「一番忙しいのは12月」と思い込んでいたので、最初の年度末は少し面食らいました。
Q2. 繁忙期になれば収入は増えますか?
A. 報酬体系によります。
個建てなら運んだ個数がそのまま売上になるので増えます。日額固定の場合は、荷物が倍近くになっても報酬は変わりません。
増えるのは労働時間だけ、というのが日額固定の実態です。契約前に、自分の報酬がどちらの仕組みで決まるのかを必ず確認してください。
Q3. 繁忙期に向けて事前にやっておくことはありますか?
A. 大きく3つあります。
1つ目は車両整備で、繁忙期の1か月前までに済ませておくと安心です。2つ目は生活リズムを整えておくこと。
3つ目が、意外と抜けやすい交通規制の確認です。担当エリアのイベント日程と規制時間帯を月初にまとめて見ておくと、当日に慌てずに済みます。
Q4. 閑散期はどう過ごすのが正解ですか?
A. 整備と準備に使うのがおすすめです。
私はタイヤ交換や点検を2月・5月・10月に寄せています。繁忙期に出費と稼働停止が重なると、資金繰りが一気に苦しくなるからです。
日額固定で働いているなら閑散期も収入は変わらないので、空いた時間を別の収入源を育てることに回せます。私はこの時間でブログを書いています。
Q5. 未経験で最初の繁忙期を迎えます。気をつけることは?
A. 焦って件数を追わないことです。
私はフードデリバリー時代、件数を稼ごうと焦って方向転換の場所選びを怠り、雪の轍にタイヤを取られたことがあります。周りには誰もおらず、スコップで雪を削って抜け出すまでにかなりの時間を失いました。
あと1件という気持ちが強くなる時期ほど、基本の判断を丁寧にしてほしいなと思います。無理をして車が動かなくなれば、その日の残りは全部消えますから。
Q6. プラットフォーム型の配送は繁忙期に有利ですか?
A. 稼働枠を確保できるかどうかで結果が変わります。
セール期間中は配送枠の取り合いが激しくなるため、通知設定や放出時間の把握といった情報収集が収入を左右します。
仕組みと実態は黒ナンバーでAmazon Flexは稼げる?で詳しくまとめていますので、検討中の方は参考にしてください。
Q7. 繁忙期に合わせて委託先を変えるべきでしょうか?
A. 繁忙期を理由に選ぶ必要はないと考えています。
私は委託先を変えたことで1日の報酬が4,000円上がりました。月20日稼働なら月8万円の差です。
この差は繁忙期かどうかに関係なく、毎月ずっと続きます。繁忙期の稼ぎ方を工夫するより、契約条件そのものを見直すほうが収入への影響ははるかに大きいです。
まとめ|繁忙期は「稼ぐ時期」ではなく「設計する時期」

軽貨物の繁忙期について、年間サイクルから報酬体系ごとの収入の動き方までお伝えしてきました。
最後に、この記事の要点を整理しておきます。
この記事の3つの結論
1. 繁忙期は年3回、ただし収入が動くかは報酬体系で決まる。年末年始・3月末・7〜8月に物量は増えるが、個建てなら売上が伸び、日額固定なら1円も変わらない。増えるのは労働時間だけという働き方もある。
2. 出来高型は売上ではなく残る金額で判断する。件数が増えれば燃料代も消耗品も増える。売上が2割伸びても経費と労働時間が3割増えていれば、実質は目減りしている。
3. 繁忙期の工夫より、契約条件の見直しのほうが効く。私は委託先を変えて1日4,000円、月8万円の差が生まれた。この差は繁忙期かどうかに関係なく毎月続く。
繁忙期は「その時期にどう稼ぐか」を考える期間だと思われがちです。
ただ、3つの立場から見てきた私の実感は少し違います。
繁忙期と閑散期の波は毎年ほぼ同じ形でやってくるので、波に振り回されるのではなく、波を前提に年間を設計するほうが結果的に楽になります。
そしてもうひとつ。
飲食店を経営していた終盤、配達する側の感覚を知りたくて始めたフードデリバリーが、店を失った後に軽貨物へ移る足がかりになりました。
あのとき黒ナンバーを取っていなければ、再スタートはもっと遅れていたはずです。
閑散期に空いた時間で何をしておくかは、数年後の選択肢の数に直結します。
繁忙期に体を張って稼ぐ働き方も否定はしません。
ただ、走れなくなる日が必ず来ることを考えると、走らなくても入る収入の柱を並行して育てておく意味は大きいと感じています。
なお、本記事の収入や経費に関する数値はあくまで一般的な目安であり、契約内容やエリアによって大きく異なります。
契約条件や税務に関わる判断は、必ず公式情報をご確認のうえ、税理士や社会保険労務士などの専門家にご相談ください。